【痛快】~孤立無援の赴任地。信念を貫いた男の矜持~「いさましい話」山本周五郎 朗読アリア
【痛快な話】敵意に満ちた土地で、男はいかにして「武士の誠」を示したのか。硬骨漢・玄一郎の再起を描く名作。
📚山本周五郎の「いさましい話」をお届けします。
昭和21年43歳の作品、時代小説です。
江戸から地方の藩へと赴任してきた玄一郎を待っていたのは、閉鎖的な土地特有の風習と、剥き出しの敵意でした。役所の青年たちからの冷徹な嫌がらせにも屈せず、冷静沈着に己の職務を全うしようとする玄一郎。しかし、事態はついに「日本末の丘」での決闘という、命懸けの局面へと発展します。
緊迫した情勢のなか、孤独な彼を支えたのは、意外な人物の変容でした。心を通わせられずにいた妻・松尾が涙ながらに明かした、夫への真実の想い。家庭に灯った小さな光を糧に、玄一郎は藩に蔓延る不正の闇へと切り込んでいきます。
黒幕の存在、そして下された非情な謹慎処分。
しかし、その逆境こそが彼の人格を証明し、凍てついた周囲の心を溶かしていくことになります。武士としての誇りを守り抜き、停滞した土地に爽やかな風を吹き込む男の姿を描いた、まさに「いさましい」物語。
■ ひと言解説
周五郎流「改革者」の物語。主人公の玄一郎は、言葉ではなく行動で周囲を変えていきます。特に、夫を突き放しているように見えた妻・松尾が隠し持っていた「深い慕情」が明かされるシーンは、本作に情緒的な深みを与え、読後の静かな余韻を際立たせます。
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