氷河期の冬を越すために、古代人は何を食べて生き延びたのか?
朝晩が冷えてくると、鍋や揚げ物が恋しくなりませんか?
約1万5000年前、氷河期の終わりごろの人たちにとって、
秋の冷え込みは「命がけの冬が来る」合図でした。
獲物のトナカイを仕留めれば、肉は山ほどある。
それなのに、肉を食べ続けた人から弱っていく。
冷蔵庫も鍋もない冬を、古代人はどうやって生き延びたのか。
ドイツ南西部の岩山ペータースフェルスの野営地から、
順番にたどります。
冬に痩せていくトナカイ、
脂の無い赤身だけで体を壊す「ウサギ飢餓」の記録、
体がタンパク質を使える量の上限、骨を割って取り出す骨髄、
骨のかけらを焼けた石で煮て脂をすくう方法と、
スペインのエル・ミロン洞窟に残る3,500個以上の割れた石、
そして約12万5000年前のネアンデルタール人が、
暖かい時代にすでに骨を煮ていた話までを扱います。
白丸の古代人の場面は想像による演出で、
特定の人々の復元ではありません。
ペータースフェルスで骨を煮た跡は、まだ見つかっていません。
骨を煮る場面は、ほかの遺跡の証拠をもとにした想像です。
ウサギ飢餓の話は19〜20世紀の北アメリカの記録で、
氷河期の人の記録ではありません。
今の日本のふつうの食事なら、
タンパク質の取りすぎを心配する話ではありません。
僕は寒くなってくると、
無性にクリームシチューが食べたくなるんですが、
あなたは何が食べたくなりますか?
ぜひコメント欄で教えてください。
■チャプター
00:00 冷蔵庫も鍋もない冬を、古代人はどうやって生き延びたのか
01:04 冬の前、岩山のふもとで何をしていたのか
03:20 冬が深まると、獲物の体に何が起きるのか
05:32 赤身だけを食べ続けると、人はどうなるのか
07:49 なぜ、肉があるのに体が壊れるのか
11:09 痩せた獣の、どこに脂が残っていたのか
13:20 鍋も無いのに、どうやって骨を煮たのか
17:33 骨を煮る技は、いつからあったのか
19:40 冒頭の問いの答え 冬を越す食べ物はどこにあったのか
■主な参考文献
McCartin, Starkovich & Conard(2023)
New insights into Magdalenian subsistence at Petersfels(ペータースフェルスの骨・Quaternary Science Reviews 322)
https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/202...
Archaeological and Anthropological Sciences(2025)
Gnirshöhle and Petersfels(ペータースフェルスの年代)
https://link.springer.com/article/10....
Stefansson(1946)
Not by Bread Alone(ウサギ飢餓の記録・書籍)
Speth(2025)
Mid- to northern latitude hunting economies(タンパク質の上限と冬の赤身)
https://www.sciencedirect.com/science...
Canadian Journal of Zoology(1987)
カリブーの季節ごとの体組成(冬に脂を失う)
https://cdnsciencepub.com/doi/10.1139...
Nakazawa, Straus ほか(2009)
On stone-boiling technology in the Upper Paleolithic(エル・ミロン洞窟の焼け石・Journal of Archaeological Science)
Kindler ほか(2025)
Large-scale processing of within-bone nutrients by Neanderthals, 125,000 years ago(Science Advances 11(27))
https://www.science.org/doi/10.1126/s...
#古代人 #氷河期 #人類史 #骨髄
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