AIを止めるのは、倫理ではなく「バブル崩壊」か――お金が尽きたら、超知能への道は止まるのか【AI見聞録】
▼ シリーズを公開順にまとめました
AIはどこへ向かうのか|世界の議論を、地方の現場から
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前回の動画に、こんなコメントをいただきました。強欲な市場経済には、神による最終奥義「バブル崩壊」という安全装置がある。資金が尽きれば、AIのスケーリングは止まる。
本当にそうなのでしょうか。
2025年1月27日、中国のDeepSeek(ディープシーク)が少ない費用で作ったというAIをきっかけに、AIの半導体の会社エヌビディアの株が、1社として記録的な値下がりをしました。市場の安全装置は、あの日、何に効いたのか。
今回のAI見聞録では、三つの話から考えます。
二つの壁――いま、お金と市民がAIの建設にかけているブレーキ
半分になる計算――同じ賢さを作る費用
崩れたあとに残るもの――前のバブルと、AIの作り方
最後に、僕の考えをお話しします。
※この動画は、特定の株や投資を勧めるものではありません。株の売り買いや、値動きの先行きについての話ではありません。
事実関係についての補足
※DeepSeekの約558万ドルは、R1のもとになったAI「DeepSeek-V3」の最後の訓練に使った計算を、半導体を1時間2ドルで借りたと置いて換算した値です。それ以前の研究や試行の費用は含まない、とDeepSeek自身が論文に書いています。
※エヌビディアの値下がりの額は、報道によって5,890億〜5,930億ドルと幅があります(測り方の違い)。動画では額を言っていません。
※「約8か月で半分」は、言葉を扱うAIで、決まった性能に届くのに要る計算についての、2012〜2023年のデータからの見積もりで、幅があります(Epoch AIなどの研究者の論文・2024年3月)。同じ研究所は、ある難しい理科の問題集でGPT-4と同じ点を取るのに要る値段が、1年で約40分の1になったとも報告しています(2025年3月)。
※ニューヨーク州の措置は、2026年7月14日の知事の行政命令で、50メガワット以上の大きなデータセンターについて、環境の許可を止めるものです(1年を見込む)。病院・学校・研究向けなどは除かれます。動画では、クルーグマン氏の文章が挙げている例として紹介しました。
※グローバル・クロッシングは2002年1月に破産を申し立て、2003年12月9日、シンガポールのST Telemedia(エスティー・テレメディア)が2億5千万ドルを出資して、立て直した会社の61.5%の持ち分を得ました。
※AIの中身(重み)を公開するかどうかは、会社によって違います。DeepSeek-R1はMITライセンスで公開され、商用の利用や作り変え、ほかのAIの訓練への利用も認められています。
※Epoch AIの「2030年まで」の分析は2024年8月のもので、実際にその大きさの訓練を行うかは、投資の意志しだいだとしています。
※ポール・クルーグマン氏の文章は、2026年10月29日に本人のニュースレターに掲載されたものです。動画では、AI投資についての部分だけを紹介しています。
※冒頭の、今週のアメリカの出来事(2026年11月3日の中間選挙・データセンターをめぐる住民投票・11月5日の株価)は、CNBCの報道によります。住民投票は、10州41件のうち40件で、建設に反対する側の結果になったと報じられています(速報の集計)。
主な参考資料
Paul Krugman, Will the AI Investment Splurge Last?(2026年10月29日)
https://paulkrugman.substack.com/p/wi...
DeepSeek-AI, DeepSeek-V3 Technical Report
https://arxiv.org/abs/2412.19437
DeepSeek-R1(公開ページ)
https://huggingface.co/deepseek-ai/De...
Ho et al., Algorithmic progress in language models(2024年3月)
https://arxiv.org/abs/2403.05812
Epoch AI, Can AI Scaling Continue Through 2030?(2024年8月)
https://epoch.ai/blog/can-ai-scaling-...
Epoch AI, LLM inference prices have fallen rapidly but unequally across tasks(2025年3月)
https://epoch.ai/data-insights/llm-in...
Sastry, Heim et al., Computing Power and the Governance of Artificial Intelligence(2024年2月)
https://arxiv.org/abs/2402.08797
ST Telemedia(Global Crossingへの出資の完了)
https://sttelemedia.com/assets/newsle...
Adam Smith, The Wealth of Nations(国富論)第4編第2章
https://www.gutenberg.org/cache/epub/...
報道:エヌビディアの値下がり(Reuters配信・2025年1月27日)
https://www.business-standard.com/amp...
報道:中間選挙のあとのAI関連株の下落(CNBC・2026年11月5日)
https://www.cnbc.com/2026/11/05/qualc...
報道:データセンターをめぐる住民投票(CNBC・2026年11月4日)
https://www.cnbc.com/2026/11/04/data-...
報道:ニューヨーク州の行政命令(2026年7月)
https://www.ecos.org/news-and-updates...
【映像・写真の出典】
実写の映像:Pexels(Rafael Minguet Delgado、Dima Krivoy、Media Hopper Studio、Usman AbdulrasheedGambo、Daniele Sgura、Kampus Production、Taryn Elliott、Ali Alcántara、JUN HO LEE、TP Motion、Nicola Narracci、Pachon in Motion、Toàn BDS、Andrei Ignia、Sandeep Solanki) https://www.pexels.com/
一部のイメージ:生成画像
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【章立て】
00:00 今週、アメリカで起きたこと
01:06 バブル崩壊という安全装置がある、というコメント
01:34 スケーリングは、AIを大きくして賢くするやり方
02:00 2025年1月27日、AIの会社の株が一斉に下落
02:30 AIが進んだ日に、株価が記録的に下がった
03:02 2つの壁・半分になる計算・崩れた後に残るもの
04:01 ラーメンのチェーン店の出し過ぎに例える
04:37 2つの壁:クルーグマン氏の文章
05:34 1つ目の壁はお金、借金に頼る段階に
05:58 2つ目の壁は市民、データセンターへの反対
06:28 銀行が貸さず、近所が反対すると店は増えにくい
07:12 半分になる計算:今日一番大事なところ
07:51 必要な計算を減らすアルゴリズムの進歩
08:36 同じ賢さに必要な計算は約8か月ごとに半分
09:11 DeepSeekの約558万ドルと株価の下落
09:50 株価を下げたのは作る手順が上手くなったこと
10:41 崩れた後に残るもの:前の大きなバブル
11:25 会社は倒れても海の底のケーブルは残った
12:33 AIの作り方と、公開された重みは残る
13:27 あの日、レシピはむしろ世界中に配られていた
14:03 別の見方:先頭の競争にはお金と電力が効く
15:37 私の考え:作り方の広がりには届かない
17:06 見えざる手ではなく、人が意図して置く手
17:48 AIの料金の表を、使い始めた頃と比べてみる
18:32 しぼんでも破裂しても、作り方は残る
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合同会社クラウドラブ代表・岩森吏央(いわもり りおう)。
50代で起業し、地方の中小企業のDX支援とAI活用を仕事にしています。
まだ結論の出ていないことも含めて、考えている途中を記録として残しています。
▼ この動画について
企画・出演・最終確認:岩森吏央。台本の下書き、図解、編集の補助にAIを使っています。主要な事実と出典は、公開前に一次資料と照らし合わせています。
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合同会社クラウドラブは、京都・亀岡を拠点に、企業のAI活用・DX・業務システム開発を支援している会社です。
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