【番外編】もう30年以上前か!/城達也機長の美声による”JET STREEM”最終便/1994.12.30/24時の時報から終わりのCMまで/The Last Flight of JET STREEM
1994年12月30日,24時(31日,00時)発の城達也機長のジェット・ストリーム(JET STREEM) ラスト・フライトです。
テレビ映画のグレゴリー・ペックの吹き替えもばっちり決まっていた城達也氏(1931~1995)は放送当時63歳。まだお若いのですが、前年から既に食道ガンを患っており、放送から約2ヶ月後の2月25日に帰らぬ人となりました。JET STREEMのナレーションは1967年の初回から27年間、7387回を務めました。病状が進んで発声の調子が悪くなっても、点滴を打ちながらJET STREEMの収録だけは続けていたとのこと。今あらためて聴き直しても、不調を微塵も感じさせない素晴らしい美声です。聴き手に衰えを悟られないように、最後まで相当な我慢と努力を重ねられたと思います。
※音声中のPR(CM)放送は、もちろん現在有効ではありません。
00:00 24時の時報から
00:57 始まりのアナウンス
03:56 JET STREAM 25年…
11:08 来る日も来る日も…
19:33 さえぎる物もない…[PR]
27:40 ショッピングに…[PR]
38:23 アルノ川が…
50:08 機長からキャビンへ最後のアナウンス
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00:57 始まりのアナウンス
遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、限りない宇宙の営みを告げています。
満点の星をいただく果てしない光の海を、豊かに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜のしじまの、なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていった、はるかな地平線もまぶたに浮かんでまいります。
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便、JET STREAM
皆さまの夜間飛行のお供をいたしますパイロットは、わたくし城達也です。
03:56 JET STREAM 25年…
JET STREAM 25年(※1)の旅を振り返って、私のフライト日誌から。
去る11月、ユーロトンネルを通ってイギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ直通列車、ユーロスターが営業運転を開始した。
ナポレオン以来懸案のドーバー海峡トンネルと思えば、ヨーロッパの人々にとっては、感慨もひとしおだろう。世界の間の垣根は、ひとつひとつ低くなっていくような気がする。嬉しいことではありませんか。
11:08 来る日も来る日も…
来る日も来る日も、公園から積み出されていく落ち葉よりロンドンの霧の底に、夜ごと檻のように積もる。
トラックの荷台に、夢の燃え殻のように積まれていく。日ごと、何台も何台も積み出されていくのだ。
また明日には、朝の薄明りの木の下道を、厚く覆っているに違いない。
長い冬の夜の、夢の数はこんなにも多かったのか。
無口な青年のこころまえの深さを、別れ際の置き手紙で知らされたような具合だ。
落ち葉よ、もはや私は、お前を無用なものと思ったりはしない。
掃き清められた、灰色の枯木立の根方に、なおもお前の思いが、温かくまつわり付いているのだと。
19:33 さえぎる物もない…[PR]
さえぎる物もない空の旅の新たな地平、21世紀を視野に入れて関西国際空港(※2)が誕生しました。
今シーズンのアイルのヨーロッパ旅行には、関西国際空港オープンスペシャルとして、ロンドン・パリへの8日間コースが設定されました。
訪れる順番によって、ロンドン~パリコースとパリ~ロンドンコースがあり、更に宿泊ホテルによって、 スタンダードコースとデラックスコースが用意されています。
フライトには、関西国際空港発の直行便(※2)が使用されますが、成田発の直行便を使用するコースも設定されています。
予定には、ロンドンでのウィンザー城観光が組み込まれている他、今シーズンから登場した、ロンドン・パリでのウォークツァーをたっぷりした自由時間にご利用いただけます。
これは例えば、ロンドンの土曜日なら、ポートベロロードのストリートマーケットという具合に、曜日ごとに魅力的な場所へ係員がご案内するミニツァーです。
費用をご紹介しましょう。関西国際空港オープンスペシャル、ロンドン・パリ8日間スタンダードコースが25万8千円からです。
詳しいことにつきましては、お近くの旅行取扱店、もしくはリンリンダイヤル、東京03-5402-****番へ,お気軽にお問合せください。
27:40 ショッピングに…[PR]
ショッピングにグルメに劇場通いにと、今頃のヨーロッパは、通好みの第二の旅行シーズンです。
ひとつの国や地域をじっくり周遊する、アイルの94ヨーロッパは、今シーズンも多彩なコース設定で、貴方の参加をお待ちしています。
8日間から11日間までの旅行日数で、ドイツ・南フランス・イタリア・スペインなど、狙いを絞った地域ごとに、充実した内容のコースが12種類そろっています。
中には、ギリシャはもとより、北アフリカのモロッコの古い都と自然を周遊するコースなども設定されています。
一部を除いて、コンダクターが同行で、しかもお値段はお手頃価格、お好きな土地の通になっていただくヨーロッパ旅行です。
費用は、94ヨーロッパ、イタリアハイライト10日間、ルネッサンスの都フィレンツェと、ローマ・ナポリ・ミラノコースが29万8千円からです。
詳しいことにつきましては、お近くの旅行取扱店、もしくはリンリンダイヤル、東京03-5402-****番へ,お気軽にお問合せください。
38:23 アルノ川が…
アルノ川がフィレンツェの岸辺を洗って夕日に向かって流れていく。
ヴェッキオ橋の上で、ふと漏らしたため息は、冷たい風に吹かれ、一途な水に導かれて遠くピサの街へも運ばれていくだろう。
橋の上の金細工の店で、富の輝きに目を奪われた。
川下のトルナブオーニ通りで、サルドのアカフナ(※3)に飛びつくのも、フィレンツェの旅だな。
今は、心静かに、夕暮れの教会の鐘の音を聞くがいい。
川の流れに浮かんでは消えた夢を偲ぶうちに、懐かしい日々がよみがえってくるだろうか。
50:08 機長からキャビンへ最後のアナウンス
日本航空がお送りいたしましたJET STREEM、そろそろ、お別れの時間が近づいてまいりました。皆さまのお相手は、わたくし城達也でした。
25年間(※1)、わたくしがご案内役を務めてまいりましたJET STREEMは、今夜でお別れでございます。長い間、本当にありがとうございました。
またいつの日か、夢もはるかな空の旅でお会いいたしましょう。
そして、来年1月2日からは、装いも新たなJET STREEMが旅立ちます。
夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは、遠ざかるにつれ、しだいに星の瞬きと区別がつかなくなります。
お送りしておりますこの音楽が、美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように。
では、皆さま「さようなら」
良いお年をお迎えください。
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いつも、最後は「また明日」や「また来週」だったのですが、この時は「さようなら」で締めくくり、聴いていて目頭が熱くなりました。
※1:1967年の放送開始から数えれば27年ですが、FM●京が正式に開局した1970年4月から約24年11月であるので「25年」と表現したのかもしれません。
※2:関西国際空港は、この1994年の9月に開港した。2026年9月現在、関西~ロンドン間の直行便はありません。関西~パリ間は、エールフランス便があります。
※3:このように聞こえますが、Up主には何の事なのか把握できません。
○番組冒頭にジェット機の音と共に航空管制の音声が入ります。毎回同じ音声で長年変更されず、かなり古い時代の録音(番組初期から?)と思われますが、Up主がこれを聞き取ると…
「JAPAN-AIR 364, CLEARED FOR APPROACH CIRCLING RUNWAY 15LEFT.SURFACE WIND 150…」
と聞こえます。この放送当時の時点での、一般的な航空管制とは少し違った言い回しでした。これは、管制官から着陸前の飛行機に送信している通信で、だいたいこんな意味です。
「日本航空364便、滑走路15左に周回進入可。地上の風向は150度…(この後に風速●ノットと言ったはず)」
・364便:
おそらく当時の福岡発→羽田行のフライトと思われる。午前中到着便かな?
・RUNWAY 15LEFT:
大昔の羽田空港にあった旧C滑走路(3150m)の南南東方向(150度)への着陸進入(ちょうどぴったりの向かい風ですね😊)
○番組中で流された音楽
・デイヴィッド・フォスター「Live Each Day(Ben's Song)」
・フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ「夜霧のしのび逢い」
・パーシー・フェイス、ミッチ・ミラー「シンシアのワルツ」
・ホリーリッジ・ストリングス・オーケストラ「イエスタデイ」
・カラベリ・グランド・オーケストラ「愛をもう一度」
・ポール・モーリア・グランド・オーケストラ「天使のセレナード」
・ロバート・マックスウェル「引き潮」
・ロニー・アルドリッチ「スターダスト」
・ジョニー・ピアソン・オーケストラ「渚のシルエット」
・レイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ「シバの女王」
・マントヴァーニ・オーケストラ「枯葉」
・ピエール・ポルト・オーケストラ「哀しみのテス」
・アーサー・フィードラー&ボストン・ポップス・オーケストラ「明日に架ける橋」
・ジョン・セリー「Muroc」
・フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ「ミスター・ロンリー」
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