なぜ3Dプリンターは金型に勝てないのか──6500年変わらない量産の絶対王者
あなたのスマートフォンも、ペットボトルのキャップも、歯ブラシの柄も——身の回りのプラスチック製品はすべて、「金型」というひとつの装置から生まれています。
6500年前、ブルガリアの湖のほとりで、誰かが蝋を彫り、金を流し込みました。紀元前13世紀の中国では、重さ832キロの青銅器が鋳造されました。グーテンベルクは活字の鋳型を完成させましたが、その装置は巨額の借金なしには持てませんでした。フォードの工場では東京ドーム7割分の金型棟に4500人の熟練工が働き、いま中国・東莞には金型と金属加工の企業1600社がひしめいています。
3Dプリンターの登場で「製造の民主化」が叫ばれて10年余り。それでも樹脂で印刷した型は1000個ほどで寿命を迎え、鋼の金型は100万回の成形に耐えます。設計ソフトが金型の基本構造を自動生成できる時代に、自由曲面を鏡のように磨き上げる仕上げの研磨だけは、いまも人の手に委ねられたまま。一人前になるには10年かかるといわれる、職人の勘。
なぜ金型だけが、最後の聖域であり続けるのか。6500年の歴史を一緒に紐解きましょう。
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⏱️ タイムスタンプ
2:34 第1章:人類は最初に型を作った——6500年前の黄金
7:53 第2章:産業革命が型を量産に変えた——マスケット銃からフォードへ
12:56 第3章:プラスチックと金型の経済——週末の偶然が生んだ素材
15:33 第4章:中国が金型を安くした——東莞・30分産業圏
18:13 第5章:3Dプリンターは金型を駆逐できなかった
21:51 第6章:民主化を拒む三つの壁——最後は職人の勘
企画・脚本:越智岳人(FabScene)
編集:Tubasa Yamashita
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