大きな貯金も、遠い海外旅行もいらない――年金で軽自動車の小さな旅を楽しむ65歳が見つけた、幸せな老後をつくる「3つの習慣」。
「ハワイの海はきれいでした。それなのに、自分がそこにいる感じがしなかったんです」
岡山県たかはし市に暮らす岡野みつえ、65歳。訪問介護のヘルパーとして三十年、軽自動車で山あいの家々を回ってきました。年金は月十万八千円、貯金は二百八十万円。
退職をきっかけに、娘のすすめで古い車を三万円で手放し、友人に誘われてハワイ七日間のツアーへ。けれども、使ったお金は四十四万円。残ったのは、時計ばかり見ていた自分でした。
バスが一日五本の町で、会いたい人に会いに行けない日々。隣に住む元整備士の宮本さんが差し出したのは、亡くなった奥さんの軽自動車の鍵でした。
瀬戸内の海辺の町うしまど、赤い町並みのふきや、霧の峠で知った怖さ。そして、助手席に乗せた人たち。大きな貯金も、遠い海外旅行もなくても、年金の中で続けられる「3つの習慣」の物語です。
▼目次
00:00 三十年、十八万キロの最後の日
3:42 「車を手放したら」娘のすすめ
6:49 三万円で売った車と、ハワイの申し込み
8:47 バスが一日五本の町で
13:56 ハワイ七日間、四十四万円の旅
20:55 会いたい人に、会いに行けない夏
23:08 元整備士・宮本さんの申し出
27:59 娘と決めた「車に乗るための条件」
33:07 うしまどの海、ガソリン九百円【1つ目の習慣】
36:13 赤い町・ふきやと、助手席の宮本さん
38:42 霧の峠と、破った約束【2つ目の習慣】
43:10 助手席を空けておく【3つ目の習慣】
48:18 お墓参りと、ベンガラの湯のみ
50:38 半年分の家計簿
53:36 娘を助手席に、わしゅうざんへ
58:34 幸せな老後をつくる「3つの習慣」
皆さんは、年をとってからの車や旅について、どんな決まりを作っていますか。よろしければコメント欄で教えてください。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は実在のものとは関係ありません。
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