異世界に召喚された俺は敗戦国の使者となり処刑寸前の兵士200人を救い消えた300人の秘密を暴いた
嵐の夜、王宮の書庫で目を覚ました元・会議通訳の陽翔。
彼を『異界の賢者』として呼び出した王子は内乱に敗れ、陽翔は負けた側の旗を抱えて、勝った新王との講和の卓につく。
名簿から消えた三百人――勝った側は「戦死」と言うが、墓はどこにもない。
【あらすじ】
先王崩御の鐘が鳴った朝、陽翔は敗れたカシミール殿下の旗を講和の卓に置き、二つを求めた。旗を燃やさないこと。そして、消えた三百人の行方。
新王レオンハルトが出した条件は、明日の満潮までに灯台砦の守将を降らせること。
近くの人の鼓動が聞こえる、ただし自分が緊張すると自分の鼓動しか聞こえなくなる――そんな耳と、通訳として鍛えた「避けられた一語」を聞き分ける癖だけを武器に、陽翔は砦の門前、商人議会、そして戴冠前夜の大聖堂へと向かう。
【見どころ】
・弓兵十人に狙われた門前で、「降伏」ではなく「帰る」という言葉を探す撤退交渉
・満潮の鐘が鳴り終わるまでに決めねばならない、国庫の帳簿の公開監査と、一息の差の採決
・蝋燭一本の闇の中、敵だった王と背中合わせで挑む戴冠前夜の襲撃
・死んだ王子が遺した「干し無花果は、半分こだ」という言葉の本当の意味
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