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婚約破棄されたので退勤します。捨てた悪役令嬢が隣国王太子に拾われ、王国最大の人材流出になりました

月灯りロマネスク56,530回視聴投稿日: 2026/07/25
王子に婚約破棄された日。 会場中が、私が泣き崩れるのを待っていた。 聖女は震えるふりをしていた。 王子は勝ち誇った顔をしていた。 でも私は、ただ息を吐いた。 やっと終わった。 もう、あの人を攻略しなくていい。 もう、愛されるために頑張らなくていい。 前世の私は、日本の会社で働きすぎて倒れた元社畜。 今世でも、乙女ゲームの悪役令嬢クラリスとして、 毎朝五時から王妃教育を受け、 王太子の政務を支え、 聖女の泣き芝居に対応し、 宮廷茶会という名の無給残業に耐えてきた。 そして卒業舞踏会の日。 王太子ヴェルナーは、私を悪女と呼び、婚約破棄を宣言する。 だから私は、丁寧に礼をした。 「承知いたしました」 「では、私は退勤します」 広間は凍った。 王太子も、聖女も、貴族たちも意味が分からない顔をしている。 でも私にとっては、これで王太子妃候補としての業務終了。 もう泣かない。 謝らない。 追いかけない。 そう思って会場を出ようとした瞬間、 扉の前に隣国カルデアの王太子ユリシオが立っていた。 彼は私に手を差し出して言う。 「貴国があなたを不要と言うのなら」 「我が国が、正式に迎えます」 王太子が怒鳴る。 「これは我が国の問題だ」 けれどユリシオは静かに返した。 「貴国が放棄した人材について話しています」 悪女ではなく、人材。 その一言で、私の胸は震えた。 三年前の干ばつ対策案。 二年前の国境交易改定案。 昨年の孤児院予算再編案。 全部、私が影で作った資料だった。 誰にも見てもらえなかったはずの仕事を、 隣国の王太子だけが見つけていた。 私はもう、誰かに選ばれるために働かない。 そう決めてカルデアへ向かった。 すると、捨てたはずの王国では、 茶会の派閥調整が崩れ、 孤児院の支援物資が止まり、 国境交易の更新期限が過ぎ、 王太子府の仕事が次々と破綻していく。 王国が捨てたのは、悪女ではなかった。 国を裏から支えていた、最大の人材だった。 これは、婚約破棄された元社畜の悪役令嬢が、 退勤宣言で王宮ブラック業務から逃げ出し、 隣国王太子に正しく評価されながら、 もう二度と自分を使い潰さない人生を選ぶ、 退勤ざまぁ×隣国溺愛×人材流出ファンタジー。

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