婚約破棄された契約監査令嬢、百十二件の契約を返したら王国が失効し隣国で条約院長になりました
卒業舞踏会で、王太子から婚約破棄を告げられた。
理由は、私が冷たくて、契約書ばかり見て、人の心を見ないから。
だから私は笑って、王宮文書庫、外交保管室、王太子執務室の鍵を机に置いた。
「では、本日付で王太子補佐業務も終了します」
東部穀物協定。
北部傭兵契約。
王都治水工事。
神殿寄付監査。
魔導列車賃借。
王立病院調達契約。
全部、王太子名義。
でも原案、条項修正、期限管理は、全部私だった。
婚約破棄されたその日、
私は王国から退職した。
すると翌日から、百十二件の契約が次々と失効していく。
穀物価格は三倍。
傭兵団は契約解除。
魔導列車は停止。
神殿寄付も治水工事も崩れ始める。
そんな私に手を差し出したのは、
隣国アルヴェリオの第一王子サイラス。
婚約ではなく、まずは仕事。
残業代あり。
週休二日。
王族相手でも契約違反を指摘可能。
私は初めて、自分の名前で契約を結ぶ。
これは、婚約破棄された契約監査令嬢エルヴィナが、
故国の百十二件の契約崩壊を横目に、
隣国で条約院監査官となり、
神殿の隠し条項、三国平和条約、元婚約者の国の危機まで、
すべて自分の名前で書き直していく、
契約ざまぁ×隣国スカウト×政治ファンタジー。
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