奪われた祝福は命を削る呪いでした。無加護になった公爵令嬢、王国の花嫁制度を終わらせました
王国一美しい祝福《春冠》を奪われた日、私は初めて階段を走れた。
息が切れない。
胸も痛くない。
夜も眠れる。
食べたい物も食べられる。
皆は、私がすべてを失ったと思っていた。
けれど本当に失ったのは、
十七年間、私の命を削っていた“完璧な花嫁候補”という役目だった。
一方、私から祝福を奪った令嬢ヴェネッサは、
王宮で春冠の反動に倒れる。
彼女が欲しがった祝福は、
王国を春にする奇跡であり、
一人の少女の寿命を食べる呪いだった。
私はもう、春冠を取り戻さない。
泥に入り、堤防を直し、壊れた町を立て直しながら、
一人の少女が王国の季節も婚約も人生も背負わされる制度を変えていく。
これは、祝福を奪われて《無加護》になった公爵令嬢エルナが、
初めて自由な身体で自分の仕事を選び、
奪った側の令嬢ヴェネッサ、王太子テオドールと共に、
王国の“花嫁制度”そのものを終わらせる物語。
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