川で生まれて海育ち、なぜ鮭は川まで戻って産卵するのか【雑学】
0:00 サケは、なぜ海で卵を産まない?
1:21 比べる物差し「生まれる所」と「育つ所」
2:26 判定①「川の方が安全だから」説
4:31 もしサケが海で卵を産んだら?
6:15 サケの祖先は、川の魚だった
8:19 ヤマメとサクラマス 海へ出ると卵が何十倍に
10:37 ウナギはなぜサケと真逆?/判定②「エサの説」
13:16 エサの説への反論
14:42 答え合わせ
15:34 まだ分かっていないこと
秋になると、海で4年ほど育ったサケが、生まれた川へ戻ってきます。北海道の石狩川では、昔は河口から約150キロ上流までサケが上っていました。海で体を育てたのなら、卵も海で産めばよさそうなのに、サケはなぜわざわざ川まで戻るのでしょうか。
「川の方が天敵が少なく安全だから」――よく言われる答えを、論文の数字で確かめ、マル・三角で判定しました。受精したばかりのイクラを薄い塩水で育てた実験、58種のサケの仲間の家系図、日本の16の川のアメマスの耳石。答えは、サケとは真逆に海で生まれて川で育つ、ウナギと並べると見えてきます。
■ 主な参考資料 ・斎藤・岡本・佐々木(2015)水産総合研究センター研究報告 39:85–120(シロザケの年齢・卵の大きさと数) ・伴(2016)SALMON情報 10、北海道開発局 旭川開発建設部(2018)(石狩川のサケと魚道) ・Matsubayashi ほか(2020)Ecology Letters(シロザケの海での回遊) ・Bentley ほか(1996)CalCOFI Reports 37、Yoneda ほか(2013)水産海洋研究 77、NOAA Fisheries(マイワシとタラの卵) ・Bloom & Lovejoy(2014)Proc R Soc B 281:20132081(安全説の扱い・ニシンの仲間の回遊とエサの説への反論) ・Park ほか(2024)Journal of Marine Science and Engineering 12:39(シロザケの卵と塩分) ・Helle ほか(1964)USFWS SSRF 483(オルセン川のカラフトマスの河口での産卵) ・北海道立総合研究機構 さけます・内水面水産試験場「試験研究は今」No.828(シロザケの稚魚と海水) ・Alexandrou, Swartz, Matzke & Oakley(2013)Molecular Phylogenetics and Evolution 69:514–523(サケの仲間の家系図と祖先) ・McDowall(2002)Reviews in Fish Biology and Fisheries 11:171、Waples ほか(2008)Evolutionary Applications 1:189(サケの仲間の起源の議論) ・北海道庁(ヤマメとサクラマス)、木曾・笠原(1990)東北区水産研究所研究報告 52、神奈川県水産技術センター(卵の数) ・青森県(昭和42年度)老部川の調査報告、Kitanishi ほか(2012)Ecology and Evolution、宇藤(1976)北海道大学水産学部研究彙報 26、Morita ほか(2014)Journal of Animal Ecology(海へ下るメスと川に残るオス) ・山形県内水面水産試験場(サクラマスの回帰率) ・Tsukamoto ほか(2011)Nature Communications 2:179(ニホンウナギの天然の卵) ・Inoue ほか(2010)Biology Letters 6:363(ウナギの祖先) ・Gross, Coleman & McDowall(1988)Science 239:1291(エサの説) ・Goto, Kuroki & Morita(2025)Proc R Soc B 292:20242310(日本のアメマスの耳石の研究)
※数字は発表時点のものです。「見立て」の部分は、研究の結果をもとにした語り手の考えです。
#サケ #鮭 #ウナギ #雑学 #きょとんといきもの
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