なぜ日本の大都市は渇水しない?水不足を防ぐ巨大ダム群の仕組みTOP7
雨の多い日本。でも川は短く急で、降った雨はあっという間に海へ流れてしまいます。それなのに、なぜ東京や大阪のような大都市では、蛇口の水が止まらないのでしょうか?
その答えは、遠く離れた山奥で水を蓄え続ける「巨大ダム群」にあります。今回は、日本の大都市を渇水から守る水の仕組みを、ランキング形式で7つ紹介します。
■この動画で分かること
・雪そのものを「天然の貯水池」として使う札幌の水
・287日間の給水制限を経験した福岡が、ダム・よその川・海水淡水化・節水を組み合わせた理由
・「すぐ貯まるダム」と「たくさん貯まるダム」を2本のトンネルでつなぐ宮ヶ瀬ダムの総合運用
・東京の「非常用の貯金」小河内ダムと、1964年「東京サバク」の教訓
・日本一の貯水量6億6,000万m³を誇る徳山ダムと「渇水対策容量」
・水位1cmで約680万m³。琵琶湖を巨大な水がめに変えた琵琶湖総合開発と瀬田川洗堰
・9つのダムを一つのように動かす利根川上流ダム群と、利根大堰・武蔵水路
■日本の水事情
日本の年降水量は約1,668mmで世界平均の約2倍。ところが人口が多く川が短いため、1人あたりの水資源量は世界平均の半分以下です。首都圏だけで見ると1人あたり約850m³と、北アフリカや中東の国々と同じくらいしかありません。だからこそ、雨や雪をダムに蓄え、季節や地域のズレを埋める仕組みが欠かせないのです。なお、河川からの取水を10%ほど制限しても、浄水場の運用や水圧の調整によって、家庭ではほとんど気づかないことが多いとされています。
■チャプター
0:00 オープニング
1:13 第7位 札幌(豊平峡ダム・定山渓ダム)
5:02 第6位 福岡(ダム群・筑後川・海水淡水化)
9:18 第5位 神奈川(宮ヶ瀬ダム)
13:24 第4位 東京(小河内ダム)
17:24 第3位 岐阜(徳山ダム)
21:27 第2位 関西(琵琶湖・瀬田川洗堰)
25:47 第1位 首都圏(利根川上流ダム群)
30:37 まとめ
■各順位のポイント
第7位 札幌:水道水の9割以上を豊平川に頼る街。年間約4.8mの雪が春から夏に解け出し、それを豊平峡ダム(1972年度完成)と定山渓ダム(1989年度完成)が受け止めます。2025年からは当別ダムの水も受け取り、もしもの時に備えています。
第6位 福岡:市内に一級河川がない大都市。1978年には287日間の給水制限、給水車は延べ1万3433台。その後、福岡導水(1983年度)、海水淡水化センター「まみずピア」(2005年、最大日量5万m³)、配水の集中管理、全国初の節水推進条例を整え、1994年の渇水では給水車ゼロでした。
第5位 宮ヶ瀬ダム:高さ156m、総貯水容量1億9,300万m³。相模ダム・城山ダムと道志導水路・津久井導水路で結ばれ、国と神奈川県が毎日協議して「総合運用」しています。1887年、日本初の近代水道が生まれた横浜の水を今も支えます。
第4位 小河内ダム:1957年完成、有効貯水容量1億8,540万m³の国内最大の水道専用ダム。945世帯が移転し、工事中に87人が殉職。普段は水を温存し、利根川の渇水や事故の時に放流を増やす東京の「非常用の貯金」です。
第3位 徳山ダム:総貯水容量6億6,000万m³で日本一。1994年に牧尾・岩屋・阿木川の3ダムが枯渇した教訓から、異常渇水の時だけ使う渇水対策容量4,000万m³を持ちます。湖底には旧徳山村が眠っています。
第2位 琵琶湖:貯水量約275億m³、近畿の約1,450万人の水源。琵琶湖総合開発(1972〜1997年)で、基準水位からマイナス1.5mまで使えるようになりました。出口の瀬田川洗堰が、季節ごとに水位を調整しています。
第1位 利根川上流ダム群:矢木沢・奈良俣・藤原・相俣・薗原・下久保・草木・渡良瀬貯水池、そして2020年に加わった八ッ場ダムの9施設。利水容量は合計5億5,163万m³。利根大堰と武蔵水路で荒川へ送り、東京・埼玉・群馬の約1,670万人の水道を支えます。
■ランキングについて
支えている暮らしの大きさと、仕組みのスケールを総合して順位をつけています。数値は国土交通省、水資源機構、各自治体の水道局などの公表資料(2026年11月2日確認)にもとづいています。福岡市のダム貯水率は2026年11月2日時点の値です。図解の一部(季節変化のイメージ図、ダムの容量区分、総合運用の図)は仕組みを分かりやすくするための模式図で、実際の比率とは異なります。
■ひとこと
蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水。その一杯の向こうには、山奥のダムと、それを毎日動かしている人たちの努力があります。あなたの街の水はどこから来ているか、ぜひ調べてみてください。ほかにも面白い水の仕組みを知っていたら、コメント欄で教えてください。
■クレジット
【写真・映像(Wikimedia Commons)】
Attribution:国土交通省
CC BY 2.0:Guilhem Vellut、Luke Ma、拓実 橋本
CC BY 3.0:Douglas Paul Perkins、Marek Ślusarczyk、Σ64
CC BY 4.0:Fumikas Sagisavas、Justeraren、Nesnad、Yoh-Plus
CC BY-SA 3.0:Alpsdake、Nkns、Qurren、Si-take.、Takecolo、Σ64、京浜にけ、河川一等兵
CC BY-SA 4.0:Alpsdake、Aw1805、Basile Morin、Benlisquare、Chiranthi W.、Dandy1022、Krkrkrme、Nesnad、Osumi Akari、Qurren、そらみみ、ブルーノ・プラス、新幹線、河川一等兵、禁樹なずな、運動会プロテインパワー
CC0:Alpsdake、Fumikas Sagisavas、Sakai Yayoi
Public domain:NASA、Ningyou、河川一等兵
【映像(YouTube)】Aerial shoot、Biwakokasen CH、DO-YA ! channel / T-Films Inc.、Hokkaido Television Broadcasting、KBC NEWS in JAPAN、MBS NEWS、TAKAQ5520、ある風景 a certain landscape in japan、みんなの代表、共同通信 KYODO NEWS、堰堤チャンネル / Dam channel、日本経済新聞、昭和あの日のニュース、時事通信映像センター、東京都水道局公式、森田弘法、福岡チャンネル by Fukuoka city
【地図】Natural Earth/© OpenStreetMap contributors(ODbL)
【音楽】オリジナル(本動画のために制作)
【ナレーション】合成音声
#ダム #水不足 #渇水 #地理 #インフラ #琵琶湖 #利根川 #徳山ダム
コメント 読み込み中…