なぜ3,800人のロシア軍に36,000人の日本軍が苦しめられたのか?4,400人が死傷した南山の激戦【日露戦争】
1904年5月26日の夕方、遼東半島の付け根・金州。軍司令部の置かれた丘の上で、一人の従軍記者が、まわりの将校たちの声を書きとめていました。「もう三千から死傷者が出来たと言ふぢやないか」。記者の名は田山花袋。目の前の丘・南山は、高さわずか116メートル。この丘を取るために、日本の第二軍は14時間戦い、およそ4400人の死傷者を出しました。10年前の日清戦争全体に匹敵する数です。
東京の大本営は、この数字を見て「桁を一つ間違えたのでは」と疑った ― そう伝えられています。けれど、重砲を待たずに急いで攻めるよう命じたのは、大本営自身でした。そして、その死傷者の中に、乃木希典の長男・勝典少尉がいました。花袋の『第二軍従征日記』、森鷗外の『うた日記』、1926年の偕行社の研究、アジア歴史資料センターの戦報、当時の写真帖と地図で見直します。
■この動画でわかること
・幅4キロの地峡・金州と、旅順・大連をめぐる海と陸の事情
・南山の陣地 ― 塹壕・鉄条網・地雷、そして屋根のある胸壁と機関銃
・重砲を待とうとした奥保鞏と、5月18日の大本営訓令
・雷雨の夜の金州城と、海に出られなかった砲艦
・花袋が初めて聞いた機関銃の音 ― 遠くの煤払いのような、いやな音
・乃木勝典少尉、第一師団の正面で
・野砲1門173発 ― 尽きかけた砲弾と、見込みの物差し
・満ち潮の海を歩いた第四師団と、午後7時20分の日章旗
・第二軍の戦報「約三千五百名」と、のちの4400人
・偕行社の「所見」と、3か月後の旅順
・乃木の漢詩「金州城外斜陽に立つ」
■チャプター
0:00 1904年5月26日の夕方、金州
1:41 第一章 4キロの首
4:37 第二章 見たことのない陣地
8:27 第三章 雷雨の夜
11:25 第四章 機関砲の響
15:45 第五章 弾が尽きる
19:14 第六章 満ち潮の海を歩く
22:05 第七章 桁の話
26:17 結び 金州城外斜陽に立つ
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■参考文献・史料
・田山花袋『第二軍従征日記』(1905年)国立国会図書館デジタルコレクション
・偕行社編纂部『日露戦争に於ける第二軍作戦の初期 南山の戦闘迄』(1926年)国立国会図書館デジタルコレクション
・森鷗外『うた日記』(1907年)「扣鈕」
・アジア歴史資料センター(JACAR)第二軍戦報(Ref. C09050769500)、日露戦争特別展II「南山の戦い」解説
・横山久幸「技術戦としての日露戦争」(防衛研究所、2004年)
・『福井県史』
※死傷者の数は資料によって異なります(第二軍の当夜の戦報 約3500、偕行社の研究 約4400 など)。ロシア軍の機関銃・大砲の数も資料により大きく違います。大本営が「桁を間違えたのでは」と疑った話、乃木の電報の文面、詩を作った日付などは、もとの記録がはっきりしないため「〜と伝えられています」「〜とされます」と付けています。
■画像出典
・国立国会図書館デジタルコレクション『日露戦役写真帖』、田山花袋・偕行社・森鷗外の書籍の頁と挿図(パブリックドメイン)
・小林清親の錦絵、当時の写真・絵はがき・書籍の挿絵・肖像写真:いずれも Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
・担架の兵の挿絵:George Soper, Wellcome Collection, CC BY 4.0(Wikimedia Commons)
・地図は Terrain Tiles(Mapzen / AWS Open Data)をもとに自作
■音楽
BGM:OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)
聖戦/鏡の森/電撃作戦/Time limit(Heitaro Ashibe)、迫り来る軍靴の足音的なBGM(鷹尾まさき)、深淵の穹窿(K’z Art Storage)、ハンニバル/哀しみの大地/カエサル~英雄、光をもたらす者~(田中芳典)、Distant Memory(Cloria Sound Labs)
効果音:自作
■この動画の作り方
ナレーションの原稿は、史料と研究書をもとに、このチャンネルが一から書いています。映像は、当時の写真・写真帖・絵はがき・錦絵・書籍の頁(パブリックドメイン)と、自作の地図・図表・字幕で構成しています。ナレーションには音声合成を使用しています。誤りにお気づきの方は、出典とあわせてコメントでお知らせください。
#日露戦争 #南山の戦い #乃木勝典
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