渋谷の真ん中で別棟が吹き飛んだ。休憩室にいた3人が亡くなった【2007年 渋谷温泉施設爆発事故】
2007年6月19日の午後2時27分ごろ、東京都渋谷区松濤の女性専用温泉施設の別棟で、地下の機械室にたまっていたメタンガスに制御盤の火花が引火し、爆発が起きました。別棟は骨組みだけを残して吹き飛び、1階の休憩室にいた女性従業員3人が亡くなり、従業員2人と通行人の男性1人が重傷を負いました。温泉に溶けていたメタン(南関東ガス田)を分離して屋外へ逃がす配管の一番低い所に結露の水がたまって管をふさぎ、行き場を失ったガスが機械室へ漏れ、排気ファンも止まっていたため室内にたまったと裁判で認定されています。結露水を抜くバルブは、汲み上げの開始から事故まで一度も開かれていませんでした。
最高裁判所の決定(2016年5月25日)と東京高裁判決の判例研究、消防庁・総務省・環境省の公文書をもとに、地下の機械室の断面図で、南関東ガス田の温泉には必ずメタンが伴うこと、逆鳥居型の配管に結露がたまる仕組み、水抜きバルブが「常開」から「常閉」に変わって水抜きの必要が伝わらなかった経緯、6月19日の経過、裁判で認定された爆発の順番、そして事故から5か月で改正された温泉法の中身を順番に解説します。
00:00 冒頭
01:46 舞台
04:01 見えない力
05:24 機械室の断面
08:18 伝わらなかったこと
11:33 6月19日
14:42 調査
16:46 裁判
19:05 その後
21:34 1枚の図
22:26 締め
■ 出典
・最高裁判所 第一小法廷 決定 平成28年5月25日(平成26年(あ)第1105号 業務上過失致死傷被告事件・刑集70巻5号117頁)。https://www.courts.go.jp/hanrei/85917...
・稲垣悠一「指示・警告上の欠陥と不作為的過失─渋谷シエスパ事件─」専修法学論集126号(2016年)(東京高裁 平成26年6月20日判決の判例研究)。
・横沢亘「温泉施設の爆発事故について設計担当者が水抜き作業に係る情報を説明すべき業務上の注意義務があったとされた事例」國士舘法學52号(2019年)ほか判例研究。
・消防庁「東京都渋谷区温泉施設爆発火災の概要(第8報)」2007年6月29日。https://www.fdma.go.jp/disaster/info/...
・総務省「規制の事前評価書 温泉汲み上げ施設における防火安全確保対策」2007年12月20日。https://www.soumu.go.jp/menu_seisakuh...
・環境省「温泉に関する可燃性天然ガス安全対策の経緯等」、温泉に関する可燃性天然ガス等安全対策検討会「可燃性天然ガスによる災害の防止に関する技術基準《報告書》」2008年3月。https://www.env.go.jp/nature/onsen/co...
・産総研 地質調査総合センター「燃料資源図『関東地方』について」GSJ地質ニュース Vol.5 No.2(2016年)。
・施設の規模・泉質・救助の経過・民事訴訟・閉館と跡地については報道(AFPBB News・J-CASTニュース・週刊女性PRIME・日本経済新聞)とWikipediaによります(動画内では「報道」と表示)。
※この動画は判決と公文書の記述をもとにした解説で、裁判所や官庁の公式な見解ではありません。当時の報道写真・映像は使っていません。
■ 制作について
・亡くなった方とご家族、負傷された方への敬意を第一に、救助時の様子やけがの細部は描いていません。死因については報道の範囲(爆風による打撲など)にとどめています。実名・社名は出していません。
・責任について、この動画は判決が認定した事実(設計担当者が水抜き作業の必要を伝えなかったこと、排気ファンの停止と警報が鳴らなかったことも結果の条件だったこと、運営会社の取締役は無罪が確定したこと、施工責任者は不起訴相当とされたこと)を同じ重さで並べ、誰かを責める意図はありません。
・建物・機械室・配管の形は判決文と判例研究の設備系統図をもとにした概略で、実際の現場の再現ではありません。冒頭の実写風の映像2本(「イメージ」の札)はAIで生成したイメージで、事故の記録映像ではありません。
ナレーション:VOICEVOX:青山龍星
【楽曲提供:株式会社光サプライズ】
BGM:OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)かずち「Flutter」「残滓念」「コールドフィッシュ」「クリスタルコア」
#事故の断面図 #渋谷 #温泉 #メタン #ガス爆発 #事故解説
コメント 読み込み中…