配管の弁を開けた。いつもの水抜きのはずが、なぜ4人は戻らなかったのか【2014年 テキサス 農薬工場 毒ガス漏れ事故】
2014年11月15日、土曜日の午前3時すぎ。テキサス州の農薬工場で、作業員が配管の排出弁を開けました。いつもの水抜きのはずが、出てきたのは液体の毒。色も煙もない気体が、窓のない4階建ての建物の中に広がり、助けに入った人を含む4人が亡くなりました。何が4人を止めたのか。2本の配管がつながった5日間と、警報が届かなかった30分を、断面図で追います。
米国 化学安全委員会(CSB)の最終報告書(2019年・163ページ)と中間勧告(2015年)をもとに、メチルメルカプタンという物質の性質、5日前から始まっていた詰まりと計画、放出の瞬間、無線と救助、体の中で起きること、外での対応、そして防ぐための結論を解説します。
0:00 冒頭
1:55 舞台=窓のない4階建て
4:19 メチルメルカプタン=においで分かる毒
6:19 5日前から
8:47 その瞬間
11:40 無線
15:12 体の中
17:13 外では
18:54 探す
20:18 なぜ防げなかったか
21:48 1枚の図
22:25 結論
24:46 締め
■ 出典
・事故の経緯・時刻・放出の量・建物と設備・原因と勧告は、米国 化学安全委員会(U.S. Chemical Safety and Hazard Investigation Board)「Toxic Chemical Release at the DuPont La Porte Chemical Facility」最終報告書(2019年)と中間勧告(2015年)によります。
・メチルメルカプタンの濃度の基準は、報告書が引用する NIOSH・OSHA・AEGL の値によります。
・工場の閉鎖の発表(2016年)、環境保護庁との民事和解(2018年)、連邦地裁での有罪の答弁(2023年)は、当時の発表と報道によります。
・工場名:デュポン ラポート工場(テキサス州ラポート)
※単位は報告書の値をメートル法に直しています(放出量およそ11トン・1時間におよそ4トン など)。気体の体積(およそ5,500立方メートル)は放出量からの概算です。
※時刻・人の動き・「弁を開けたのは主任」などは報告書の記述と推定によります。
■ 制作について
・亡くなった方とご家族への敬意を第一に、お名前は出さず役割で呼んでいます。遺体・負傷・発見時の姿は描いていません。死因は報告書の範囲(窒息と急性吸入)で、言葉だけで説明しています。
・誰かを責める意図はありません。原因は委員会の結論(設計の欠陥と安全装置の不足)に沿って説明しています。
・冒頭の実写風の映像1本(「イメージ」の札)はAIで生成したイメージで、事故の記録映像ではありません。そのほかの画はすべて報告書の記述と図をもとにした3DCGの概略です。見えない気体は黄緑の粒で示しています。
ナレーション:VOICEVOX:青山龍星
【楽曲提供:株式会社光サプライズ】
BGM:OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)かずち「Flutter」「残滓念」「コールドフィッシュ」「クリスタルコア」
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