右手は2倍に腫れ上がっていた ― なぜ彼は異常を隠し、高度3万mの気球から飛び降りたのか?【エクセルシオール計画】
1960年8月16日、人類がまだ宇宙へ出ていなかった時代に行われたアメリカ空軍の極限実験「エクセルシオール計画(Project Excelsior)」の実話記録です。
高度3万1,333メートル、朝だというのにインクを流したように黒い成層圏。
屋根も壁もない小さな気球のゴンドラの中で、ジョセフ・キッティンジャー大尉の右手の手袋は気圧を保てなくなり、普段の2倍ほどにまで腫れ上がっていました。
地上に知らせれば、挑戦は止められてしまうかもしれない。なぜ彼は異常を隠したまま、世界で一番高い一段から一歩を踏み出したのか。
第1回実験で起きた「毎分87回転のフラットスピンと意識喪失」の危機から、52年後の2012年に84歳となった彼が管制室で次の挑戦者へ送った言葉まで、残された公式資料(NASA SP-8)をもとに紐解きます。
【目次(チャプター)】
00:00 1960年8月16日・高度3万1,333メートルの異変
01:02 オープニング(案内人:トモリ)
02:07 なぜ気球から飛び降りる必要があったのか(フラットスピンの脅威)
03:47 回転を抑える「3つのパラシュート」と140回の人形試験
05:18 最初の挑戦「エクセルシオール1号」と重なる不運(1959年11月)
07:45 早すぎた開傘・毎分87回転の錐揉み落下と意識喪失
09:08 意識を失った彼を救った「高度の合図」と2号の成功
11:32 最終実験「エクセルシオール3号」出発と2枚のプレート
12:30 高度1万2,000m・右手の激痛と隠された報告
14:55 高度3万1,333m到達・インクよりも黒い空での祈り
17:15 跳躍・風の音もしない時速988キロの自由落下
18:55 4分36秒後の開傘と砂漠への着地
20:54 52年後の継承(2012年・84歳のキッティンジャーが送った言葉)
22:21 エンディング・あなたへの問いかけ
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