【朗読】すぐに寝落ちできる江戸の参勤交代と大名、お金の話│参勤交代はどのように行われたのか~江戸の暮らし(参勤交代編)~
今日も一日お疲れさまでした。
この動画は、眠るためにつくられています。
今夜たどるのは、西のほうにあった、十万ごくほどの家の話です。名前は出てきません。どこの何という家か、ということが、この話ではまったく重要ではないからです。
まだ暗いうちに、門の前でかがり火が焚かれます。門から続く道には、千二百人が並んでいます。先頭はもう次の村にさしかかり、最後尾はまだ門の中から出てきていません。この人たちは、いくさに行くのではありません。ただ、江戸へ行くのです。そして一年たてば、同じ道を通って帰ってきます。
今夜の話は、この行列がいくらかかったか、という話です。それだけの話です。
二百五十里をひと月かけて歩く道中の、宿の代金とにんそく代とわらじ代。雨で川が止まり、一里も進まないまま三百ごくが消えた三日間。江戸に入る手前の宿場で、その日だけ雇い入れて行列に足された人たち。色のあせたやりの袋を作り直し、はげたうるしをひと冬かけて塗り直す、見られるためだけの入り用。
そして、十万ごくの家が一年に自由に使える額が、実際にはいくらだったのか。足りない分をどこから持ってきたのか。大坂へ運んだ米と、それを売りさばく店と、その同じ店から借りた金。まだ実っていない、二十年先の米まで行き先が決まってしまった帳面。半分に減らされた家臣の禄。国元を一度も見たことのない人が押した判。そして、自分たちで刷った紙の金が、また紙に戻るまで。
戦の話ではありません。刀を抜く場面は、一度も出てきません。誰かが誰かを陥れる話も出てきません。出てくるのは、宿の代金と、ウマの数と、かんじょうしょの帳面に並んだ数字ばかりです。
この話には、悪人が出てきません。愚かな者も出てきません。全員がそれぞれの立場でまっとうに振る舞っていて、それでこうなりました。
今夜の話には、一箇所だけ、ちょっとした言葉が紛れこませてあります。
無理に探さなくてかまいません。たいていの方は、途中で眠ってしまうので、見つけられないまま終わります。
大きな山場はありません。声の調子も、はじめから終わりまで同じままです。
途中で意識が遠ざかっても、そのまま流していてかまいません。
──目次──
00:00:00 はじめに
00:07:00 一章 人を差し出すということ
00:18:41 二章 二百四十人と千二百人
00:31:37 三章 二百五十里をひと月かけて
00:43:04 四章 十万ごくの家が使える額
00:55:46 五章 出発の朝までに
01:07:18 六章 一日に減っていく額
01:18:38 七章 川が止まる
01:29:35 八章 江戸の手前で足される人
01:40:00 九章 見せるための金
01:52:05 十章 三つのやしき
02:03:33 十一章 付き合いという仕事
02:15:21 十二章 焼ける
02:26:47 十三章 役所を二つ持つ
02:37:58 十四章 差し出すもの
02:49:19 十五章 米を大坂へ
03:00:16 十六章 なぜ貸したのか
03:10:38 十七章 まだ実っていない米
03:21:03 十八章 見えないものだけが削れる
03:30:57 十九章 国元へのお達し
03:42:41 二十章 形だけが残る
03:52:39 二十一章 決まりが緩んだ日
04:02:57 二十二章 最後の行列
04:13:10 二十三章 消えた証文と残った道
04:22:58 二十四章 奥にいた人たち
04:34:50 二十五章 江戸で生まれた跡継ぎ
04:45:34 二十六章 言葉が通じない
04:55:58 二十七章 紙で作った金
05:06:07 二十八章 紙に戻る
05:15:30 おわりに
※本編に登場する家は、各地に残る記録を重ね合わせて再構成した、一般的な十万ごく規模の家の姿です。特定の家や、実在の人物をモデルにしたものではありません。作中に人名・家名・地名の多くは出てきません。
※こくだか・両・米価・道中の費用・借財の額には諸説があります。本編は通説に沿って、断定を避けた観察者の語りで辿っています。
※参勤交代の制度と負担については、幕府が意図的に諸家を疲弊させたとする見方と、諸家が互いに張り合った結果とする見方があります。本編は残された達しの文面に沿って後者に重心を置いていますが、どちらか一方を正しいとするものではありません。
※読み上げの都合により、難読の語は一部をひらがな・カタカナにしています。
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動画内の画像は深い眠りの妄げにならないよう、敢えて固定してますが、眠らずに起きて視聴している方に向けて、わかりやすく情景をイメージできるように画像を制作しています。
より深い眠りを提供できるよう、脳が落ち着ける周波数を分析し、BGMや環境音は独自のミックス音を使用しています。
台本は運営者が史料をもとに書き下ろしています。
諸説ある事柄は、断定を避けてお話ししています。
制作にはAI技術を活用しています。
(ナレーション音声・背景画像など)
#雑学 #睡眠導入 #日本史 #江戸時代 #大名 #参勤交代
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